音楽教室 ノアミュージックスクール

ロックバンドのケミストリーとは。その1:レッド・ツェッペリン

ロックバンドの花形といえば、
どうしてもボーカルやギタリストと思われがち。
フロントにグイグイ食い込んでスポットライトを浴びる、
まさにスターの立ち位置なのでいたし方ないところではあります。

しかし、ロックに肝心なグルーヴを形成するのは
もちろん、ドラムとベース。
ドラムとベースがしっかりしていないとフロントがどんなに
うまくてもグダグダで締まりのない演奏になってしまいます。
理想的なロックバンドはドラムとベースが
フロントに負けない存在感を発揮します。
理想的なロックバンドは、
どれかひとつが欠けると独自の音楽が成立しない集団なのです。

英国のロックバンド、レッド・ツェッペリンには
ジョン・ボーナムというドラマーと、
ジョン・ポール・ジョーンズというベーシストが在籍しています。
フロントには言わずと知れたギタリスト、ジミー・ペイジ。
ボーカルはロバート・プラント。

ツェッペリンのライブ盤なんかを聴くとよくわかるのですが、
ジミー・ペイジは物凄く「走った」ギターを弾きます。
要するに多少、バックの演奏より少し早く演奏しているということ。
おかげさまで、「ジミー・ペイジ下手説」が生まれる土壌となっています。
このペイジの走ったギターに真っ先に食らいついて爆発するのが
なんとジョン・ボーナムのドラムなんですね。
ドラムはリズム・キープをしなければいけないなんていう
ルールはボーナムの脳内にはハナから存在しないのです。
大変だ!このままでは演奏が破綻してしまう!
そこをズシンとした重心で抑えるのがベースなんですね。
ジョーンズのベースは鉄壁なまでに冷静に展開します。
いわば孫悟空の頭の輪っかみたいなもんです。
やんちゃし放題で破綻寸前のところをうまくまとめているのです。
ツェッペリンのライブの凄みは破綻寸前、
暴走機関車的な暴れ様にあることは誰しもが認めます。
しかし、暴走機関車もレールが無ければ走れません。
そのレールの役割を果たしているのがジョーンズのベースです。
(↑うまいこと言ったつもりです)
3人の怒涛の演奏に支えられてこそロバート・プラントは
フェロモンを撒き散らかすことができるのです。
ロックは破綻寸前の綱渡りを見せ付ける音楽といってもいいかもしれません。
その破綻をうまくコントロールする存在がバンドには必ず必要です。
レッド・ツェッペリンはそのロックの理想、
「押しと引きのバランス」が絶妙であったため、伝説となりえたのです。

ツェッペリンのケミストリーは完璧でした。
その証拠ともいえるのが、1980年のジョン・ボーナムの急死。
バンドは存続と解散の選択を迫られ、後者を選びました。
ボーナムのドラムなしでは成立しないのがツェッペリンサウンドだからであります。

その後、何度かの再結成を実現させますが、
ジョン・ボーナムの代役を引き受けるのは、
なかなか難しい決断のようで、
結局、息子のジェイソン・ボーナムがその役を果たしています。

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