普段から耳にしている様々な音楽。
そんな音楽の雰囲気やメロディの構成に必要なのが「コード進行」です。
今回は、そのコード進行の中でも特に有名な「カノン進行」について解説していきます。
カノン進行が使われている有名曲も紹介しますので、ぜひ実際に聴いてみてください！

■ まずはここから！「コード進行」とは

コード進行とは、曲の中でコード（違う高さの音が3音以上重なったもので和音とも呼ばれる）がどのように構成されるのか、どのように進んでいくのかという「コードの流れ」を示すもので、作曲の軸となる部分です。
コード進行には、基本的にその曲のキーの音階を元にしたコード（ダイアトニックコード）を使用しますが、個性やオリジナリティを出すためにダイアトニックコード以外のコードを用いることもあります。

■ カノン進行について

1. 誰もが知っている「カノン」を聞いてみよう

カノン進行は、ヨハン・パッヘルベルの「カノン」という曲に使用されたコード進行で、その曲名をとってカノン進行と呼ばれています。
まずは、本家となる「カノン」を実際に聴いてみましょう。

聞いたことがあるという方が多いのではないでしょうか？
ちなみに、こちらのカノンはヴァイオリン3つと通奏低音（チェンバロやピアノなど）で構成され、ヴァイオリンが同じメロディを輪唱するのが特徴です。

2. カノン進行のコード並び

カノン進行のコード並びは「C→G→Am→Em→F→C→F→G」が基本のコードです。
作曲者は、曲の雰囲気やアーティストのキーに合わせてコードを変更し、自分の曲として完成させていきます。

3. カノン進行の特徴

カノン進行は楽譜を見てもわかる通り、音階の並びがなめらかで綺麗なため耳馴染みがいいのが特徴です。
下図のように、音符を線で繋ぐとより綺麗さが目に見えるかと思います。

その耳馴染みの良さから、ピアノやギターなど様々な楽器・アーティストに合う万能なコードであり「カノン進行を使った曲は売れる、ヒットの法則」と言われるほどです。
しかし、ヒットしやすいが故にそれ以降の楽曲はいまいち伸びない、いわゆる「一発屋」になりやすいというデメリットも兼ねています。

■ カノン進行が使われている洋楽曲

「カノン進行はヒットの法則」と言われるからには、もちろんカノン進行を使った有名曲がいくつもあるわけです。
まずは、洋楽曲から4曲ご紹介します。
どの部分でカノン進行が使われているかも記載していますので、ぜひその部分を中心に聴いてみてください。

【Basket Case / Green Day】

カノン進行のポップな部分を最大限に引き出した有名洋楽曲。

【Don't Look Back In Anger / Oasis】

Aメロ・サビがカノン進行。
EmをEにコード変更しているのが特徴。

【Karma Chameleon / Culture Club】

サビがカノン進行。
日本でも聴いたことのある人が多い、超有名洋楽曲。

【Cryin' / Aerosmith】

Aメロがカノン進行。
ちなみにサビのコード進行は《C→G→Am→F》で、The BeatlesのLet it beに使われていたことから「Let it be進行」と呼ばれている。

■ カノン進行が使われているJ-POP

カノン進行は、もちろんJ-POPやアニソンでも使われています。

【マリーゴールド / あいみょん】

Aメロ・サビがカノン進行。
紅白歌合戦でも披露された大ヒット曲。

【Pretender / Official髭男dism】

サビがカノン進行。
YouTubeの再生回数が3億再生を超える、2019年を代表するヒット曲。

【チェリー / スピッツ】

Aメロがカノン進行。
1996年のリリースから今でも人気のある、スピッツの代表曲のひとつ。

【ハレ晴レユカイ / 涼宮ハルヒの憂鬱ED】

サビがカノン進行。

■ ピアノで弾きやすい有名曲

ピアノは右手と左手で別の音を弾いて演奏します。
楽譜にはト音記号の段とヘ音記号の段があり、「ト音記号＝メロディー、右手で弾く部分」「ヘ音記号＝伴奏・ベース音、左手で弾く部分」という役割を果たしています。

右手と左手で別々に弾くというのは初心者の方には難しいかもしれませんが、その場合は最初にメロディー（右手）を練習してからそこに伴奏（左手）を追加する形にすると練習しやすくなります。
また、コードではなくドレミで表記してあったり、使う指の番号がふってあったりする楽譜もあるので「楽譜が全く読めない！」という方にはそういったものがおすすめです。

最後に、ピアノ初心者の方におすすめな楽曲をご紹介しますので、ぜひ入門編として練習してみてください。

【クラシック】
「カノン（パッヘルベル）」
「エリーゼのために（ベートーヴェン）」
「メヌエット長調（バッハ）」

【J-POP】
「世界にひとつだけの花（SMAP）」
「奏（スキマスイッチ）」
「小さな恋の歌（MONGOL800）」
「I LOVE YOU（尾崎豊）」

【ディズニー】
「星に願いを（ピノキオより）」
「アンダー・ザ・シー（リトルマーメイドより）」