◼︎はじめに

ストリートピアノというものをご存知でしょうか？
ストリートピアノは街中などの公共の場所に設置された、誰でも自由に演奏できるピアノです。その多くは、音楽を通じて人と人のつながりを生み出すといった趣旨を込めて設置されています。
日本では、YouTuberのストリートピアノを弾いてみた動画などの影響でストリートピアノの存在が広く認知され、現在では全国で600ヶ所以上に設置されています。
上述のとおり、誰でも演奏できるピアノですから、ピアノを始めてまもない初心者の方でも演奏して大丈夫です。
でも人通りがあるところでピアノを弾くのはちょっと勇気がいりますよね。
今回は、初心者の方向けにおすすめの曲やコツ、マナーまで紹介していきます。

◼︎初心者が曲選びで気をつけたい3つのポイント

（１）誰もが知っている有名なメロディーを選ぶ

曲選びに迷ったら、まずは誰もが知っている有名な曲から選んでみましょう。
有名な童謡やJ-POPの曲であれば、足をとめて聴いてくれる方が増え、盛り上がるかもしれません。

（２）シンプルなメロディとリズム構成の曲を選ぶ

人前で演奏を披露するからといって、難しい曲を選ぶ必要はありません。大事なのは聴く人や演奏している自分自身が楽しむことなので、初心者の方はまずは緊張しすぎないで演奏できるシンプルな楽曲構成の曲を選んでみましょう。
曲の難易度やクオリティよりも、演奏者がのびのびと演奏をしている方が道ゆく人の目を引くはずです。

（３）初心者向けの楽譜やチュートリアル動画が豊富な曲を選ぶ

また、初心者の方は耳コピが苦手な方も多いかと思います。定番曲は初心者向けのアレンジが加わった楽譜があることも多く、最近ではYouTubeなどで初心者向けのチュートリアル動画が上がっている曲も多く存在します。
まずはそういった楽譜や動画がある曲から選んでみるといいでしょう。

◼︎初心者でも大丈夫！ストリートピアノで弾きやすい簡単曲7選

では実際に初心者の方でも練習を始めやすい曲を紹介していきます。
定番から季節曲まで、短期間でマスター可能な7曲

（１）きらきら星

まずは誰もが知っているきらきら星です。この曲は日本だけでなく世界中で聴かれている曲なので日本人以外の方にも認知されており、初心者向けの楽譜や動画も多いので練習がしやすいのもポイントです。
また、この旋律を用いてモーツァルトが作曲した「きらきら星変奏曲」というものもあるので、演奏に慣れてきた方はこちらにチャレンジしてみてもいいかもしれません。

（２）ハッピーバースデー

こちらも誰もが知っている定番曲です。一緒にいる友人などが誕生日のときに演奏してあげると喜んでもらえるかもしれません。

（３）チューリップ（日本の童謡）

日本の童謡の定番であるチューリップです。幼稚園などで習う曲なので、子どもが多い場所での演奏がおすすめです。

（４）ドレミの歌（サウンド・オブ・ミュージックより）

ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の作中曲として有名になったこの曲。各フレーズの歌詞とメロディが「ドレミファソラシ」になっているので、初心者の練習曲としてもおすすめです。

（５）ジングルベル

クリスマスの季節にぴったりな一曲です。クリスマスマーケットなど、クリスマスイベントの会場にストリートピアノがあることもあるので、ぜひトライしてみてください！

（６）世界に一つだけの花（サビ部分のみ）

国民的アイドルグループSMAPの代表曲のひとつ。2003年に発売されたシングルはなんと300万枚以上を売り上げる大ヒット、平成のJ-POPを代表する一曲となりました。
幅広い年齢の方に愛され続ける曲なので、道ゆく人が聴き入ってしまうかもしれません。
初心者の方はまずはサビの部分から練習してみましょう。

（７）となりのトトロ（メインフレーズ）

最後に紹介するのは、ジブリ映画『となりのトトロ』の主題歌の「さんぽ」です。となりのトトロ以外にも有名なジブリ作品の楽曲はたくさんあるので、ぜひお気に入りの一曲を練習してみてはいかがでしょうか。

◼︎ストリートピアノで簡単曲を弾く練習のコツ

では次に、自分でもできるピアノの練習方法を紹介します。
•初心者が人前でスムーズに弾くためのポイント
片手ずつ練習してから両手へ
初心者の方は、いきなり両手で練習するのではなく、まずは右手だけで主旋律のメロディを練習してみましょう。右手だけで弾くのに慣れてきてから左手の伴奏を追加して練習した方が効率よく上達します。

oゆっくりしたテンポからスタート
まずは正規のテンポより、ゆっくりのテンポから練習しましょう。そのとき、メトロノームを使うことを忘れずに。最近はスマートフォンのアプリも充実しています。ゆっくりのテンポで確実に弾けるようになってから少しずつ実際のテンポまで上げていきます。

o記憶に頼るより耳で覚える
楽曲を細かいセクションに分けて繰り返し練習しましょう。一曲を通しで練習するだけでは、後半で集中力が切れてしまうことがあります。繰り返し練習をするときは耳で覚えることを意識します。

oスマホで録画して客観的にチェック
練習をするときはスマートフォンなどで自分の演奏を録音や録画してみましょう。自分の演奏を客観的に聴いたり、見たりすることで演奏中には気づかなかった改善点に気づくことができます。とくに、ストリートピアノは多くの人に見られるので、事前に自分の演奏する姿を確認しておくといいでしょう。

◼︎ストリートピアノで弾く時のマナーと楽しみ方

ストリートピアノは多くの方が使う公共のものです。しっかりとマナーを守って利用することが大切です。
•初心者でも気持ちよくプレイするための心構え

o周囲に配慮（大音量・長時間占有は避ける）。
一番大切なのが、周囲にしっかり配慮をすることです。各ストリートピアノには、演奏可能な時間やひとりが演奏できる時間などがあらかじめルールとして決められている場合があります。事前にホームページで確認するか、現地の注意書きなどを確認しましょう。
また、他にも演奏したい人がいるかもしれないので長時間の占有は控えましょう。待っている人がいると思ったら譲り合って利用することが大切です。
演奏を撮影するときも注意が必要です。SNSなどに投稿する場合は周りの第三者が映らないようにするか、映り込んでしまった場合はモザイク処理をしましょう。

o演奏後は軽いお辞儀や笑顔で感謝を表す。
演奏が終わったら聴いていただいた方たちにお辞儀や笑顔で感謝の気持ちを表しましょう。そのことで、ストリートピアノの趣旨でもある音楽を通して人と人がつながることができるでしょう。

o初心者であることを恐れず、楽しむ姿勢が大切。
また、初心者だからといって遠慮したりしなくても大丈夫。自分のできる範囲でピアノの演奏を最大限楽しみましょう。自分自身が楽しんでいれば、おのずと周りの人も楽しくなってくるでしょう。

◼︎最後に

いかがでしたでしょうか。
ストリートピアノは初心者の方には敷居が高いと感じられるかもしれませんが、誰でも自由に演奏できるものなので、ぜひチェレンジしてみてくださいね。